倉庫の売買を行う際の注意点と倉庫の種類について解説


倉庫と聞くと皆さんはどういうイメージを持ちますか。私たちの普段の生活において倉庫に関して深く考える機会は多くないと思います。

おそらく物を貯蔵しておくスペースというイメージを持つ方が大多数でしょう。しかし倉庫には幅広い種類や用途があります。資本主義社会において欠かすことはできない倉庫という構造物。

その役割や特徴について紹介していきたいと思います。


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倉庫の定義と種類



倉庫の定義


倉庫という言葉を聞くと家のそばにある小屋などをイメージするかと思います。それはある意味で間違いではありません。ただし倉庫という言葉には一般的に知られている用途以上に幅があります。

法律上の定義は「物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作物又は物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作を施した土地若しくは水面であって、物品の保管の用に供するものをいう。」となっています。

保管の用に供するという点では皆さんよく知っている倉庫とさほど変わりないと思います。しかし土地もしくは水面と記載されているように、倉庫は保管するモノによって様々な種類があります。

例えば原木などは水面において保管することが可能な物品と位置付けられています。ただし、この記事では大きく2種類の倉庫に絞ってフォーカスしていきたいと思います。


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自家用倉庫


主に利用者が自身の荷物等を保管するために使用する倉庫のことです。通常イメージする倉庫もこのタイプだと思います。元々日本では縄文時代後期から出現した高床式倉庫が倉庫の淵源とされていますが、穀物の保管を目的とした当時の倉庫も自家用といえるでしょう。

自家用倉庫は保管や管理が目的なので敷地内にあることが一般的です。このような倉庫を利用する上で法律上の許可や登録などは不要となります。


営業倉庫


自家用倉庫とは用途や見た目に大差がない物も多数ありますが、大きな違いは事業に使用しているかどうかという点です。事業に供する構築物であるため、保管するモノによって形態が大きく変わり、バリエーションが多いのが特徴です。

倉庫に関する事業と聞くと一般の消費者には馴染みがないかもしれませんが、倉庫業法では「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」とされています。つまり、他社の荷物を保管することで対価を得るのが基本的な倉庫業となります。

身近な例で言うとAmazonなどで注文する商品の保管庫が倉庫業に当たります。主な在庫は倉庫から出荷されますが、その保管料を支払う使用者(商品販売者)と貸与する倉庫業者(Amazon)間で貸し借りのビジネスが成り立っているということです。

ちなみに、倉庫業を営むには国土交通大臣への登録申請が必要となります。


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倉庫の売買についての需要と注意点



投資物件としての倉庫


ここまで倉庫の特徴を紹介してきましたが、実は投資物件としても一定の需要があります。倉庫は保管や物流に欠かせないものとなっているため、企業や個人がお金を払ってでも確保したいほどの利便性を備えています。また、維持・管理に手間や費用がかからないことから高利回りを実現できることも魅力の一つとなっています。

ただし、ハイリターンであるということはハイリスクでもあります。なぜなら倉庫の借り手を見つける難易度は相応に高いからです。貸倉庫が必要な企業や個人となると一定の規模の事業を行っているか富裕層などに限定されるのが一般的です。借り手がいなければ収益化することはできません。


取得時の留意点


倉庫を購入して倉庫業を営む際、保管するモノによって満たすべき構造上の基準が異なります。そのためここでは一般的な倉庫に共通する留意点を2点紹介します。

1つ目は設置までに国土交通省へ申請登録を済ませる必要があるということです。上記で述べたように投資物件といっても倉庫業にあたるため、法律上の手続きを踏む必要があります。申請がなされていないと違法業者になってしまうため、その後の営業に支障をきたします。

2つ目は倉庫の所有者(貸手)が火災保険を付保しなければならないという点です。あくまで事業として他人の荷物を保管・管理することになるため、災害時の備えを万全にしておく必要があります。特に企業などの荷物を保管する場合は被害総額も甚大な規模になると予想されることから、火災保険については要チェックとなります。

そのほか、構築物を建てる大前提として建築基準法や地域に即した都市計画法に合致している必要があります。これは倉庫に限った話ではなく、建物などの不動産を所有する上では最低限の法令として遵守すべきものとなります。


まとめ



この記事では倉庫に関する定義や特徴を紹介しました。一般的には家庭用と事業用で大きく分かれます。また、倉庫を利用した事業は私たちの身近に多く存在しています。需要が高まればお金が動くため、倉庫そのものが投資対象ともなり得ます。

投資物件である倉庫の特徴として管理の手間や費用が最小限に抑えられ、高利回りが狙えることを紹介しました。ただしアパートなどの建物とは異なり特殊な構築物であるゆえ、登録申請の届出や留意すべき法令などがあります。また、倉庫の借り手を見つけるハードルも相応にあります。

それでも、倉庫の魅力については世間であまり知られていないと思います。今後の可能性に期待が高まります。

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