近年、スマホと4Gの普及によってSmartNewsなどのニュースアプリやYouTubeなどの動画コンテンツ、各種SNSサービスなどが発展し、誰でも気軽に消費するようになりました。その反面、ユーザーの可処分時間を巡ってサービス同士のユーザーの時間の奪い合いが加熱しています。
そこで今、注目を集めているのが「音声配信サービス」です。目を使うコンテンツは身体を拘束してしまいますが、耳で聞くコンテンツであれば歩きながらや何か作業をしながらのインプットが可能となります。
ここでは、数ある音声配信プラットフォームの中で、いま密かに話題の「stand.fm」(スタンドエフエム、略称:スタエフ)について、その特徴や使い方をご紹介していきます。
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stand.fm(スタエフ)とは?
stand.fmは、ラジオのような音声放送を、いつでもどこでも気軽に配信できるプラットフォームです。2020年にサービスが開始され、同年10月現在、月間利用者数はWebとアプリの合計で 100万人を超え、急成長しています。
簡単な操作で、誰もが自分の番組が持ててしまう無料サービスで、中学生から91歳のおじいちゃんまで、様々な方が発信者として参加しています。
著名人の利用
著名人では、元AKB48の篠田麻里子さんや優木まおみさん、フェンシング銀メダリストの太田雄貴さん、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんなどがチャンネルを持ち、Jリーグの鹿島アントラーズもチームとして公式に登録して、現役選手やスタッフが配信しています。
ここが注目されている
ラジオも含め、音声配信サービスは「ながら視聴」が可能です。リスナーも気軽に聞くことができ、配信者側も動画と異なり場所を問わずスキマ時間で収録、簡単編集で直ぐに配信してしまうことが可能という手軽さが要因となって、人気を集めています。
また、個人配信サービスは荒れて問題になることがありますが、stand.fmは他のサービスよりも格段に治安が良く、誹謗中傷が少なくなるような運営がされています。
さらに、AirPodsなどの無線イヤホンの誕生によって音声配信サービスは需要が伸びており、SNSと並んで今後も成長していく個人発信ツールとなることは間違いありません。
stand.fmの特徴
「収録放送」と「LIVE放送」が可能
stand.fmにおける配信方法は、収録放送とLIVE放送の2種類あります。どちらも無料で簡単に利用することが可能となっています。
収録放送
収録放送とは、あらかじめ収録した音源を登録し、自分のチャンネルのコンテンツを増やしていく放送方式です。配信者はチャンネルの題材にそった話題を用意し、自分のペースで録音して公開していきます。コラボ収録機能もあり、離れた場所にいるゲストと4人での収録も可能です。
話題のジャンルも豊富で、エンタメから恋愛、ビジネス系や趣味、ライフスタイルなど様々なチャンネルが配信されており、チャンネルを選択すると過去の放送を視聴することができます。
LIVE放送
LIVE放送は、事前に告知した時間でリアルタイムに放送し、リアルタイムでリスナーとコミュニケーションができる放送方式です。放送しながら視聴者からコメントやいいねがもらえ、対話形式で生のコミュニケーションを楽しむことができます。
電車の通過時間と共にLIVE放送を開始して生で踏切音と通過音を皆で楽しみ、合間にはコメントを読み上げていくという鉄道ファンのチャンネルや、フリーランスの方が実態や苦労を話しながら質問に答えていくチャンネルなどがあり、既に多くの配信者と視聴者が活発なコミュニケーションを展開しています。
またLIVE放送は一人だけでなく、複数人で放送することも可能となっており、離れた友人と一緒に最大5人で配信することができます。
「スマホアプリ」で利用できる
stand.fmは、iOSアプリとAndroidアプリの両方でサービスが提供されています。アプリの画面は白基調で、アイコンも含めとにかくUIがシンプルに設計されており、誰でも直感的な操作が可能です。他の音声配信サービスと比べてシンプルでおしゃれなデザインがstand.fmが注目を浴びる理由にもなっています。
また録音も簡単で、わずか数タップで収録を公開でき、トリミングなどの編集もタップ操作のみで完結してしまいます。stand.fmオリジナルBGMも豊富に用意され、収録後に簡単に挿入できるようになっています。
配信者とやり取り可能な「レター機能」
従来のラジオ番組のように、配信者に応援メッセージや質問を送ることができる機能です。送られたレターの内容は、チャンネルの番組内で読み上げられたり、番組の話題ネタするなどして活用されています。
レターの送信画面には「募集コメント」が設定されており、チャンネル毎に視聴者から寄せて欲しい内容が記載されています。レター毎に収録してSNSでシェアする機能もあり、Twitterやインスタグラムとの相性がよく拡散しやすいのもstand.fmの特徴です。
なお、レター機能は”匿名“で送信されますので、名前を公開したくない方でも気軽に交流することができます。stand.fmは運営が徹底されており治安も良いので、おふざけでレターを送ったり嫌がらせで送るなどの行為はほとんどないので安心して利用が可能です。
収益化プログラム
2020年の8月よりstand.fmは5億円の資金調達を実施し、それを原資に配信者の収益をサポートする「パートナープログラム」を始めました。
これにより審査を通過した配信者は、stand.fmよりプログラムに沿った収益を受け取ることができるようになりました。どのように収益化できるのかについては、後述の「stand.fmで稼ぐことは可能?」をご覧ください。
フォロワー数が表示されない!?
stand.fmは他のプラットフォームと違って、番組の視聴者数やチャンネルのフォロワー数が公開されず、配信者自身しか把握できないというのも大きな特徴です。
これによって、視聴者は単にフォロワー数での権威付けはできず、純粋にコンテンツの質でチャンネルの価値を判断していくという、全てのユーザーにフラットな設計となっています。
stand.fmの始め方と使い方
次にstand.fmの始め方と使い方についてご紹介していきます。stand.fmは、スマートフォンでアプリをダウンロードすれば、誰でも無料で利用することが可能です。
番組の再生
アプリを立ち上げて表示されるメイン画面には、今放送されている「LIVE放送」や「おすすめチャンネル」がサムネイル画像と共に表示され、気になったものをタップして放送を視聴します。
配信者のアイコンをタップすると、チャンネルのプロフィール画面に遷移します。ここには過去の放送に加え、配信者の経歴やブログ、SNSリンクも記載されており、タップすることで各サイトに移動することができます。
また、気に入ったチャンネルの「フォロー」ボタンを押すと、配信時に通知がくるようになります。アプリの「フォロー中」というメニューでは、フォローしたチャンネルのコンテンツを時系列に聞くことができます。
番組の収録と公開
収録放送の場合
収録放送では、まず録音ボタンをタップして音声を録音または外部ファイルを読み込みます。録音/読み込み後、不要部分があれば「切り取り」で音声をカットし、必要に応じてBGMを挿入します。最後にバナー画像、タイトル、カテゴリ、放送の説明とタグを入力し、「投稿」ボタンをタップすると音声が収録放送としてstand.fm上に公開されます。
公開は全てのリスナーが視聴可能な「全体公開」と、URLを知っている人だけが聞くことができる「URL限定公開」を選択することが可能です。
LIVE放送の場合
LIVE放送では、背景画像を選択してから「ライブ放送を開始」をタップするだけで、リアルタイムのLIVE放送がスタートします。こちらも、開始時に「全体公開」「URL限定公開」の選択が可能です。
そして、LIVE 終了後に「LIVEを保存して公開」をタップすると、自分のチャンネルに番組として登録されます。保存せずに終了することも可能となっています。
stand.fmで稼ぐことは可能?
前述の通り、stand.fmは審査制のパートナープログラム(SPP)を持ち、配信者の収益サポート を充実させています。審査には、フォロワー数1,000人を超えると申請できるようになります。配信者は10,000ポイント貯まると振り込み申請が可能となり、収益化できる仕組みとなっています。
再生時間還元
配信者の収録放送の再生時間に応じて、現在は暫定的に「再生1時間で4-6円が運営側から還元される」というプログラムが実施されています。
将来的には、広告主を募集して番組に表示し、その収益の一部を還元することが計画されています。LIVE放送にも今後、対応していく予定です。
サポーター機能(予定)
サポーター機能は、チャンネルを応援してくれるユーザーに、サブスクリプション(月額課金)で限定放送を配信できる機能です。金額は120円~1万円(税込)の間で、55段階での設定が可能となっています。
番組全体だけではなく、番組の最初の10分は無料で視聴可能で残りのコンテンツは有料にするなどの柔軟な対応も可能となっているようです。
コンテンツ販売(予定)
コンテンツ販売機能は、チャンネルの音声放送を放送回毎にコンテンツとして販売することができる機能です。こちらも現在は準備中とアナウンスされていますので詳細については公表されていません。
予定では、価格を自由に設定することができる他、アーカイブ・LIVE配信どちらもコンテンツとして販売可能なため、柔軟な収益化につながるとされています。
応援アイテム送信
パートナープログラムとは別に、ライブ配信のみで応援アイテムの送信機能(投げ銭機能)があります。アイテムは、キャンディー(120円)から王冠(10,500円)までの全15種類があり、ライブ配信画面のプレゼントアイコンからLIVE放送の配信者を応援することができます。
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Clubhouseとstand.fmの違いは?
Clubhouse(クラブハウス)とは?
2021年になって日本で急激に話題となりその会員数を増やしているのが、Clubhouse(クラブハウス)というアメリカ発の音声SNSです。ルームを作って複数のユーザーが同時にトークする形式で、参加するためには他のユーザーからの招待が必要となっています。
招待はデフォルトで1アカウントにつき2人までという招待制も話題となり、また配信された音声はアーカイブ/録音などは一切されないなど、独自のサービス展開をしています。
Clubhouseについてはこちらの記事で詳しく解説しています
Clubhouseとstand.fmの違い
Clubhouseとstand.fmの一番の違いは、Clubhouseが「リアルタイムの会話を重視した音声SNS」であるのに対して、stand.fmは「ライブ配信や過去のアーカイブ配信をいつでも楽しめる現代版ラジオのようなサービス」だというところです。
Clubhouseではトーク内容のアーカイブが残らず、トークルームのような空間で誰でも気軽に話ができるという特徴を持つ一方、stand.fmはアーカイブが過去配信として公開され、特定の配信者が多くのリスナーに向けて配信しているという形がとられます。
そのため、電話やビデオ通話のような「リアルタイムの会話をよりソーシャルに楽しみたい」という方はClubhouseを、「ラジオパーソナリティのように雑談やコンテンツを配信したい」という方はstand.fmを利用すると良いのではないかと思います。
stand.fmは一般人向けのサービス!?
Clubhouseは配信した内容のアーカイブが残らないため、そのユーザーがどういったコンテンツを発信しているのかが分かりづらいという特徴があることから、Clubhouseを使って広く発信するためには著名人やインフルエンサーを始めとした他のSNSである程度ファンがいるユーザーが利用するのに適しています。
また、雑談のような双方向の会話も楽しめるため、友人同士などの既に交流関係のあるユーザーとの利用にもぴったりです。
一方で、stand.fmでは配信内容がコンテンツとして蓄積されていくため、stand.fm内で信頼を獲得してファンを作っていくことができます。
収益化の基準もある程度緩く設定されているので、新しくファンを作りたい方やこれから音声配信を頑張りたいという方に向いているサービスだと言えるでしょう。
stand.fmと他の音声配信サービスの比較
これまでstand.fmについて詳しく説明してきましたが、音声配信サービスはstand.fm以外にも多数リリースされています。
どの音声配信サービスが次に流行るのか、インフルエンサーからエンジニアまで様々な方が予想されていますが、現時点ではどの音声サービスが主力となっていくかについては見解が分かれるところです。
Voicy(ボイシー)
Voicy(ボイシー)は日本発の審査制音声配信サービスで、視聴は誰でも無料で可能ですが配信者は運営側の審査制で制限がかけられています。
審査制のため、インフルエンサーや様々な分野のプロがクオリティの高いチャンネルを作っているという特徴があります。月額課金チャンネルの機能もあり、収益化も可能となっています。
Voicyのパーソナリティについては以下の公式ホームページより応募が可能となっています。
Himalaya(ヒマラヤ)
Himalaya(ヒマラヤ)はシマラヤジャパンが提供している、中国で累計6億ダウンロード、月間アクティブユーザー数が1億2000万人を誇る、世界最大の音声配信サービスです。
stand.fmと同じように誰でも無料で視聴や配信ができます。また大きな特徴として、オーディオブックのサービスが提供されており、さらに月額課金の有料チャンネルを作る機能も用意されています。しかし、誰でも配信に参加できる上にユーザー数もかなり多いので、チャンネルのクオリティは玉石混交といった感覚があります。
Radiotalk(ラジオトーク)
Radiotalk(ラジオトーク)は、エキサイト株式会社が提供しているラジオ配信サービスです。独自の特徴として、収録した音声を他のPodcastサービスに転送し配信することができるという機能があります。
こちらもstand.fmと同様に収録配信とライブ配信があり、「Radiotalkパートナープログラム」により収益化をすることが可能です。
Apple Podcast
Apple Podcast(アップルポッドキャスト)は、Apple社がiPhoneなどで標準アプリとして提供しているサービスです。他の音声サービスと比べ、ニュースや語学学習などのコンテンツが充実しています。
2005年にサービス提供がスタートしており、当初はiPodなどの携帯プレーヤーにダウンロードして聞くというシステムでした。しかし現在はストリーミングでの視聴も可能となり、他のサービスとの区別はあまりなくなっています。なお、GoogleやSpotifyもポッドキャストサービスを展開しています。
【まとめ】stand.fm(スタエフ)はシンプルなデザインと使いやすさが魅力!
2021年現在、動画配信についてはGoogleの動画サービス「YouTube」がかなり強い地位を築いていますが、音声配信は様々なプラットフォームが乱立しているような形となっています。各社とも生き残りをかけて、差別化やコンテンツの充実すべくサービスの拡大に多く投資をしている状況です。
その中でも、stand.fmは日本発のサービスで幅広い年齢層から支持を得ており、筆者がいま一番おすすめしているプラットフォームです。ぜひ一度、アプリをダウンロードして、番組を聞いてみてはいかがでしょうか。
最後まで本記事をご覧いただきありがとうございました。本記事が読者の皆様のお役に立てば幸いです。引き続き、WEBENUでは話題のWEBサービスについての情報を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
【参考元】