仲介手数料とは？
新規一戸建て・中古住宅・土地などの不動産売買の際に、不動産業者に売買の媒介（仲介）を依頼したとき、不動産業者へ支払う手数料のことを、仲介手数料と言います。
皆さんも一度は聞かれたことがあるのではないでしょうか。具体的には、不動産業者が売主と買主の間に入り、各種調整や契約事務などを実施することに対する報酬となります。
この仲介手数料ですが、売買契約が成立して初めて発生するものであり、契約が成立しない場合には発生しません。また、不動産業者を媒介（仲介）せずに、売主から直接購入した場合にも仲介手数料は発生しません。
なお、不動産業者に媒介（仲介）を依頼するときには、不動産業者との間に媒介契約を結ぶ必要があります。この媒介契約には大きく分けて、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。
それぞれの契約によって、複数の不動産業者への依頼可否・自分で取引相手を探すことの可否・不動産業者による依頼主への報告義務の有無・契約の有効期間などが異なりますので、注意が必要です。
仲介手数料の相場は？
不動産業者が受け取る仲介手数料の相場ですが、その上限金額は法律（宅地建物取引業法）で決められています。
そのため不動産業者がこの上限金額より高い金額を請求した時には、法令違反となります。上限金額は、取引対象の物件の価格によって異なります。具体的な仲介手数料の上限金額は、以下を参照してください。
・取引物件価格（税抜き）：400万円超
→取引物件価格（税抜き）☓3％＋6万円＋消費税
・取引物件価格（税抜き）：200万円～400万円以下
→取引物件価格（税抜き）☓4％＋2万円＋消費税
・取引物件価格（税抜き）：200万円以下
→取引物件価格（税抜き）☓5％＋消費税
たとえば、3000万円の一戸建て住宅を購入した場合の仲介手数料は、次のようになります。3000万円☓3％＋6万円＋消費税（10％）＝105万6000円となります。
先ほども触れましたが、仲介手数料について法律で決まっていることは、上限金額のみです。下限金額については決められていませんので、上限金額以内であれば不動産業者は仲介手数料を自由に決めることができます。
最近は、仲介手数料を上限金額の半額や無料とするような不動産業者もあるようですが、一般的には自社の利益を最大化するために、上限金額いっぱいで設定している不動産業者が多いようです。
仲介手数料の支払い方法は？
仲介手数料は成功報酬ということもありますので、売買契約が成立するまでは支払う必要はありません。また、仲介手数料は売買契約が決まらないと算出することができません。そのため、一般的には売買契約時に半額支払い、物件の引き渡し時に残りの半額を支払うことが多いようです。
仲介手数料全額を、まとめて売買契約の際に支払うことも可能です。しかし、不動産業者に依頼する業務は、売買契約完了後の物件引き渡し時まで続きます。
そういった観点からも、売買契約時と物件引き渡し時の2回に分けて支払う方が良いでしょう。
なお、実際の支払い方法については不動産業者によって異なる可能性がありますので、事前に不動産業者に確認しておくことが必要となります。
基本的には、売買契約が成立することにより発生する仲介手数料ですが、以下の2つのケースの場合には売買契約が成立していなくても支払う必要が発生する可能性がありますので、注意が必要です。
それは、①売買契約後に売主または買主の事情により契約を解除する場合と、②売買契約に対して売主買主のどちらかが守らず契約を解除する場合です。
①のケースでは、売買契約のあと手付解除期日までの間は、原則理由をつけず買主の場合は手付金を放棄することで、売主の場合は手付金を返還しさらに手付金と同額を買主に払うことで、契約を解除することができます。
この場合には売買は成立していませんが、仲介手数料を支払う必要が生じる可能性があります。
②のケースでは、売買代金の未払いなど契約違反の場合に、相手方が損害賠償の請求を行い、催告しても債務を履行されないときには契約を解除できます。この場合でも売買契約は成立していませんが、仲介手数料を支払う必要が生じる可能性があります。
まとめ
今回は、新規一戸建て・中古住宅・土地などの不動産を売買するときに、不動産業者に媒介（仲介）を依頼した場合に発生する仲介手数料について、その定義および料金の相場や支払い方法などを中心に解説してきました。いかがでしたでしょうか。
仲介手数料は上限金額のみ決められており、通常は上限金額いっぱいを請求されることが多いこと、支払い方法は一般的には売買契約時と物件の引き渡し時の2回に分けて、支払われることが多いことなどが分かったかと思います。
今後、皆さんも不動産の売買を行うことがあるかもしれません。その際に、不動産業者に媒介（仲介）を依頼し、仲介手数料が発生することになった場合、今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸甚です。
