話題のノーコードツール(NoCode)を徹底解説!
プログラミングができない方でも簡単にシステム開発やサービス構築ができ、開発期間の短縮や コスト削減などのメリットもあるノーコードツール(NoCode)。
今回はそんなノーコードツールについて、実際にどのようなツールがあるのかやおすすめのツールについて用途別にご紹介します。
WEBENUでは今話題のWEBサービスを紹介しています。本記事はノーコードツールについてのまとめ記事となります。
ノーコードツール(NoCode)とは?
ノーコードツールとは文字通り、コーディング/プログラミング不要で、アプリやWebサイトなどのサービスを開発することができるツールのことを指します。
画面上のアイテムをドラッグ&ドロップしたり、ツール上で簡単な設定をするだけで簡単にサービス構築をすることができるため、プログラミング知識やエンジニアの手助けなしでもサービス開発が可能となります。
ノーコードツールのメリット
以上のような特徴のため、従来の開発に比べて費用を抑えることが出来るほか、個人単位であってもアイデアが思いついた時点で簡単に開発ができることから、近年その需要が急激に伸びています。
また、本格的な開発の前の需要検証やMVP開発のために用いるベンチャー/スタートアップ企業などもいることから、ノーコードツールの可能性に期待が集まっていることが分かります。
ノーコードツールを使った開発のコツ
ノーコードツールを使った開発において、いくつかのコツをご紹介します。
まず、プロジェクトを始める前に、明確な目標と期待される成果物を定義してください。これにより、プロジェクトの進行中に迷わず、効率的に開発を進めることができます。
次に、適切なノーコードツールを選択することが重要です。多様なノーコードツールが存在しており、それぞれ特徴や対応する機能が異なります。プロジェクトの要件に適したツールを選ぶことで、スムーズな開発が可能になります。
また、ノーコードツールを使用する際、機能や制約を十分に理解しましょう。ツールのマニュアルやチュートリアルを参照して、その機能を最大限活用できるようになることが重要です。
ノーコード開発でも、ユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインターフェース(UI)に注意を払うことが大切です。使いやすく、分かりやすいデザインを心がけることで、ユーザーにとって快適なアプリケーションやウェブサイトを作成できます。
最後に、ノーコードツールに頼りすぎず、必要に応じてコーディングや他の技術を取り入れる柔軟性も大切です。ノーコードツールが提供する範囲を超える機能が必要な場合は、プロフェッショナルな開発者と協力して、プロジェクトを成功させましょう。
ノーコードとローコードの違い
ノーコードツールは多くの場合、プログラムコード無しでシステムができる反面その拡張性が低く、他システムとの連携の幅が狭いため、大きなシステム構築には向きません。これを解決するものとして「ローコードツール(Low Code)」と呼ばれるツールがあります。
ローコードツールは、少ないプログラムコードでシステムを作ることができ、その高い拡張性から他のシステムとの連携も可能です。より大きなシステムに向きますが、多少のプログラミング知識が必要となります。
代表的なツールとして、Google App MakerやOracle APEXなどが挙げられます。
ノーコードツールはプログラミングが必要だが、少ないプログラムコードでサイトやアプリなどを制作することができ、ノーコードツールよりも拡張性が高い
ノーコードツール(NoCode)の種類
早速ノーコードツールの種類について見ていきましょう。それぞれどのようなサービスがあるのか、どのような特徴があるのかも合わせてご紹介していきます。
今回は目的別に大きく分けて4つの種類のノーコードツールをご紹介します!
Webサイト制作
WordPress.com
日本では一番有名とも言えるお馴染みのWebサイト構築サービスです。公式サイトにもある通り、ウェブサイトの30~40%がWordPressを使って作られています。
WordPressは2種類ある!?
WordPressでは、「WordPress.org」と「WordPress.com」の二つのサービスが提供されており、「WordPress.org」はインストール型のソフトウェアとなっているため自分でサーバーを用意する必要がありますが、「WordPress.com」はレンタル型のサイト構築サービスのため、すぐにサイトの構築&開設をすることができます。
ノーコードツールとしても利用できますが、現在はCSSなどでコーディングしてカスタマイズして利用する方が多くなっています。企業サイトや個人ブログにもよく使われています。
WordPressの学習におすすめ
いちばんやさしいWordPressの教本 第4版 5.x対応 人気講師が教える本格Webサイトの作り方 「いちばんやさしい教本」シリーズ
ビジネスサイトを作って学ぶWordPressの教科書 Ver. 5.x対応版
Wix
世界に1億のユーザーがいる、イスラエル発のホームページ制作ツールです。日本語にも対応しており、開発では500以上あるテンプレートから好みのスタイルを選択後、独自にカスタマイズしていくことができます。
ドラッグ&ドロップの簡単操作と充実した拡張機能
ドラッグ&ドロップの操作で簡単にコンテンツを構築することができ、ブログ開設やロゴの自動生成などの拡張機能も充実しています。
一般的なサイトだけではなくネットショップの作成にも対応し、物販のみならず、WixミュージックやWixフォトグラフィ、Wixビデオなどクリエイターが気軽にコンテンツを販売することができるストア機能も備えています。
その他、Wix Appというアプリサービスで自サイトを機能拡張できるなどたくさんの要素がありますが、その分操作にはある程度の慣れが必要となります。無料版と有料版があり、有料版は独自ドメインを使うことができます。
STUDIO
日本発のWeb制作ノーコードツールで、マニュアル類も日本語にフル対応していることで、操作方法を素早く把握できます。
簡単な操作とおしゃれなデザイン
Webブラウザ上で操作するクラウドサービスで、プロのデザイナーによるデザイン性の高いおしゃれなテンプレートから選択して制作していきますが、オリジナルサイトを一から作ることも可能です。
ドラッグ&ドロップでパーツを配置すると自動的にコードが生成されていき、公開も制作画面からワンクリックのみという仕様。また、ボックスレイアウトで、中央揃えや均等揃えはツールが自動でやってくれますし、豊富に用意された綺麗な写真は、全て自サイトに使用できます。
リアルタイムコラボレーション機能を備え、多人数によるリモートでの開発に対応していますので、逐一ファイルを送り合う必要はありません。無料プランは、サイトにSTUDIOのバナーが表示される仕様で、有料プランでは、優先サポートや独自ドメインに対応します。
ペライチ
ホームページ制作に特化した、日本発のノーコードツールです。ドラッグ&ドロップの操作で制作可能なので、誰でも簡単に素早くホームページを制作でき、HTMLやCSSなどの知識は不要となっています。
シンプル&簡単で初心者が使いやすい
使い方としては、まず90種類以上のテンプレートから自分のイメージに近いものを選び、編集画面よりブロックの組み合わせでコンテンツを作っていきます。操作は簡単ですが、デザインの自由度は低めで、SEO対策に強く、商品宣伝のランディングページを作るのに適しています。
その他、オプションで決済サービスもあり、急いでサイトをオープンさせたい方に向けた、サービスと言えます。なお、スタートプランであれば、無料で利用することが可能となっています。
Shopify
Shopifyは個人で簡単にオンラインストアを開設できるノーコードツールで、Amazonキラーとも言われているカナダ発のWebサービスです。サーバもパッケージソフトも不要で管理コストを大幅に削減でき、日本語を含む多言語や他通貨にも対応するばかりか、世界の大手配送会社との提携で海外発送が可能となっています。
オンラインストアを簡単に開設&世界中に販売
ツール自体には、制作に利用可能な多種多様の公式テーマが準備されており、サイト全体のデザインは運営開始後でもエンジニアやデザイナーを呼ばずに変更ができます。Shopify内のアプリを使うことで他ストアとの差別化も容易で、物販だけではなく写真やイラストなどデジタル商品を売るクリエーターの採用事例もあります。
ブログ機能やSEO対策はもちろんマーケティングの支援サービスもあり、決済方法もクレジットカードやApple Pay、Google Payなどの対応だけでなくPayPalやStripeとも連携します。14日間の無料体験が用意され、初期費用ゼロ、ベーシックプランでも月額29ドルという、サブスク型の料金体系となっています。
Glideの学習におすすめ
商品売るならShopify|世界最大規模のECプラットフォーム「Shopify」日本初の解説書!
Shopify(ショッピファイ)完全攻略ガイド: 〜初めてのECサイト構築〜
アプリ開発(Web/ネイティブ)
Glide(グライド)
Googleスプレッドシートをデータベースに利用してWebアプリを作ることができ、Excelに馴染みがあれば操作の慣れが早いノーコードツールです。
超高速のアプリ開発
何と言っても特徴は高速でアプリを作ることができる点で、アイディアが浮かんだら数時間でアプリが公開可能という驚異的なツール。
新型コロナ禍における飲食店支援として一躍有名になった「いなぎお弁当マップ」はGlideで制作され、たった1日で公開されました。また災害などの際にも、必要とされるアプリを迅速に提供できますので、直ぐにたくさんの方々のお役に立てますね。無料で使用できますが、Glideのバナーが表示される仕様です。
Glideの学習におすすめ
Glide入門: プログラミング不要の開発ツールGlideを使ってお手軽にWebアプリを作ろう
NoCode Glide 超入門 – 基礎から学んでTodoアプリを作ろう
Bubble(バブル)
Glideなど、簡単な操作が特徴のツールに比べて自由度が高いノーコードアプリ開発ツールで、大体のアプリは作れてしまうような多数の機能を持ちます。
多機能な高クオリティアプリ制作が可能
標準仕様で機能が実現できない場合は、豊富に用意されたプラグインから探し出して実装する仕組みのため、ある程度操作に慣れると非常に高いクオリティのアプリ開発が可能です。
アメリカ発のため残念ながら日本語には非対応ですが、公式の日本語フォーラムがあり分からないことがあれば質問することができます。多機能の反面、操作の難易度は高く初心者には不向きなツールですが、無料プランがあり試用は可能となっています。
Bubbleの学習におすすめ
【bubble】勉強本1/ NoCode: 初心者の方でも分かりやすくbubbleを画像と動画で解説しているので、bubbleを勉強するには最適
Adalo(アダロ)
Adaloは、iOS、AndroidなどのネイティブアプリやWebアプリを作成することができるノーコードツールで、各ストアへの公開も自動化されています。
スマホアプリも簡単に開発&公開が可能
開発画面はパワーポイントのようにフォームやボタン、写真などのパーツを配置していく形式のため学習コストが低いのが特徴で、チャットやToDOなどのテンプレートを利用することで開発時間の短縮ができます。
残念なのは、アメリカ発のツールのため今のところ日本語には非対応という点ですが、コピー&ペーストを駆使して日本語のアプリを開発することは可能となっています。無料プランが用意されていますが、アプリストアなどに公開するには有料のプランを利用する必要があります。
yappli(ヤプリ)
日本発のクラウド型ネイティブアプリ開発ツールで、開発画面はドラッグ&ドロップで直感的に操作することができます。
国産スマホアプリ開発ツール
ECサイトや実店舗、SNSなどで顧客との接点を増やす、オムニチャネル戦略を展開する企業にマッチしたツールで、エリアや属性などのターゲットに合わせたプッシュ機能を実装することもできます。
また、クーポンやポイント付与、電子カタログなどの機能も備わり、アプリ内でのユーザーの行動はダッシュボードやGoogleアナリティクスで可視化できるなど、構築後の運営でも活躍するオールインワンなプラットフォームとなっています。
業務改善化ツール
Kintone(キントーン)
日本のサイボウズが開発した業務アプリ開発システムで、自社に合わせて顧客管理やファイル管理アプリを構築することができます。
不具合や項目追加などを行うには通常エンジニアを呼ぶ必要がありますが、kintoneは業務アプリのUIをマウスで手軽に作成できますので、少し分かる人がいれば即時に対応可能と運用もスピーディかつローコストです。試用期間を利用して自社に合うか試してから、導入を検討するといいでしょう。
Asteria Warp
日本発のデータ連携ツールで、企業内で稼働中の様々なアプリデータを連携させるHUBのような役割を担い、既存のシステムやアプリを活用しながら必要なデータを繋ぐことで全く新しい価値を生み出すことができます。
システム間の連携はたいへん労力が掛かるものですが、この作業を「通常業務に携わっている人でも使うことのできる」ことが謳われており、さらにはルーティンワークの自動化や、他のノーコードツールとの接続も可能です。5日間の無料体験があり、自社サーバを使えば30日間の試用ができます。
AirTable
アメリカ発のクラウドデータベースサービスで、ExcelやGoogleスプレッドシートのような表計算と、Accessのようなデータベースがかけ合わされたような、とてもユニークなノーコードツールです。
チェックボックスやドロップダウンリストなどを項目に挿入してクリックするだけでテンプレートを作成することができ、更新のお知らせはSlackと連携してプッシュ通知することが可能です。
スケジュールやプロジェクト進行の管理、お問い合わせ内容の集計などの様々な業務シーンを支援します。無料プランが用意されている一方で、日本語でのサポートはありません。
Zapier
アプリを組み合わせてオリジナルのワークフローを作り、GoogleスプレッドシートやGmailなどのGoogle製サービスをはじめとした1,500種類以上の各種アプリと連携することで、業務を自動化することのできるノーコードツールです。
例えば、Gmail受信⇒添付ファイルをDropboxに保存⇒Slackに投稿など、今まで人の手でやっていた作業を自動化して業務効率アップを図ることができる上、海外製アプリだけではなく日本製のサービスも多数対応しています。
従来この様な作業の自動化には個別にプログラムを組む必要があったため、とても画期的なサービスだと言えます。自動化のパターン数に制限がかけられている無料版も用意されています。
ゲーム開発
buildbox
コーディング不要で、2Dはもちろん3Dのスマホゲームが作成できてしまうノーコードツールです。
カジュアルなアクションゲームの制作には向いていますが、RPGなどの複雑なシステムには不向きであり、Windows/Macの双方に対応するマルチプラットフォームとなっています。ただ、現段階では日本語の情報がほぼ無く英語が使えることが必須となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、プログラミングができなくても誰でもWebサイトやスマホアプリが構築できる「ノーコードツール」をご紹介しました。
アイデアさえあれば初期投資なしでサクッとアプリやWebサービスが個人でをつくれてしまう時代がきたと実感しますね。ノーコードツールは、ここでは取り上げきれないほど多くのサービスが日々誕生しています。
開発未経験の方もプログラミングを学んでおくに越したことはないですが、まずは無料のノーコードツールに触れ、開発とはどのようなものなのか体感してみるのも良いかもしれません。
本記事を最後までご覧いただきありがとうございました。
WEBENUでは引き続き、今話題のWEBサービスについてご紹介させていただきます。本記事が読者の皆様の参考になれば幸いです。