「日商簿記を受験したいけどどうやって勉強すればいいのが正解かわからない…」
最近、筆者の周りでこんな悩みをよく耳にします。資格の正しい勉強方法が何かわからず、がむしゃらに勉強してしまった結果、出題範囲と全然違うところばかり勉強していたり、無駄に時間がかかってしまった…なんてことにはなりたくないですよね。
そこで今回は、日商簿記に独学で調整したいという方向けに、日商簿記の勉強方法から独学で勉強が可能なおすすめサイトまで、簿記合格に必要な情報を全てお届けしていきます!
ぜひ、最後まで読んでいただき、日商簿記に”最短で”合格するための道筋を立ててみてくださいね!
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日商簿記の合格率はどのくらい?
日商簿記の合格率は3級で30~40%、2級で15〜30%、1級で10%前後です。簿記は級によって合格率や難易度に差があります。3級は比較的やさしく初学者でも挑戦しやすいですが、1級は簡単に合格できない難易度の高い資格です。
簿記の受験方法は従来の統一試験に加えて、パソコンを使って解答できるネット試験が可能になりました。統一試験を待たずに早く合格したい場合はネット試験が便利です。
以下で統一試験、ネット試験の各級合格率についてくわしく解説していきます。日商簿記の資格取得を考えている人はぜひ参考にしてください。
簿記3級の合格率
簿記3級の受験方法には、統一試験とネット試験があります。統一試験は年に3回、ネット試験は随時、会場によって日程が設定されています。
3級の合格率は2023年6月11日の164回統一試験が34.0%、同年4月〜6月期間に実施したネット試験が42.3%です。現在、3級はおおむね30~40%を推移しています。
3級受験者データ(統一試験)
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
164(2023.6.11) | 31,818名 | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
163(2023.2.26) | 37,493名 | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
162(2022.11.20) | 39,055名 | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161(2022.6.12) | 43,723名 | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
160(2022.2.27) | 52,649名 | 44,218名 | 22,512名 | 50.9% |
159(2021.11.21) | 58,025名 | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
158(2021.6.13) | 58,070名 | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
157(2021.2.28) | 70,748名 | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
156(2020.11.15) | 77,064名 | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
155(2020.6.14) | 中止※ |
※155回は新型コロナウイルス感染症の影響により中止になりました
ネット試験3級受験者データ
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年4月~2023年6月 | 47,903名 | 20,275名 | 42.3% |
2022年4月~2023年3月 | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% |
2021年4月~2022年3月 | 206,149名 | 84,504名 | 41.0% |
2020年12月~2021年3月 | 58,700名 | 24,043名 | 41.0% |
2021年に新試験制度が導入され、その直後の統一試験158回と159回は合格率が低くなっています。新試験制度に慣れていなかった、情報を知らなかったなどの理由が考えられます。ネット試験の方が、合格率が高くなっていますが、問題の難易度は統一試験と変わりません。
3級はもともと合格率40~50%、受験者のおおよそ2人に1人が受かる試験です。新制度になっても難易度が上がったわけではありません。はじめて簿記を受験する人にとっても難易度はそれほど高くはない試験です。
簿記2級の合格率
簿記2級の受験方法も年3回の統一試験とネット試験があります。
2級の合格率は2023年6月11日実施164回統一試験が21.1%、同年4月~6月のネット試験が39.5%です。3級と比較すると、2級はより出題範囲が広くなり専門的な内容になるため、合格率は低くなります。2級は回により波がありますが、おおよそ15~30%で推移しています。
2級受験者データ(統一試験)
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
164(2023.6.11) | 10,618名 | 8,454名 | 1,788名 | 21.1% |
163(2023.2.26) | 15,103名 | 12,033名 | 2,983名 | 24.8% |
162(2022.11.20) | 19,141名 | 15,570名 | 3,257名 | 20.9% |
161(2022.6.12) | 16,856名 | 13,118名 | 3,524名 | 26.9% |
160(2022.2.27) | 21,974名 | 17,448名 | 3,057名 | 17.5% |
159(2021.11.21) | 27,854名 | 22,626名 | 6,932名 | 30.6% |
158(2021.6.13) | 28,572名 | 22,711名 | 5,440名 | 24.0% |
157(2021.2.28) | 45,173名 | 35,898名 | 3,091名 | 8.6% |
156(2020.11.15) | 51,727名 | 39,830名 | 7,255名 | 18.2% |
155(2020.6.14) | 中止 |
ネット試験2級受験者データ
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年4月~2023年6月 | 22,438名 | 8,861名 | 39.5% |
2022年4月~2023年3月 | 105,289名 | 39,076名 | 37.1% |
2021年4月~2022年3月 | 106,833名 | 40,713名 | 38.1% |
2020年12月~2021年3月 | 29,043名 | 13,525名 | 46.6% |
2級は受験者10人につき合格者は2人ほどの難易度が高い試験です。それだけに資格取得により専門的な経理業務の実務に役立ち、就職・転職に有利です。財務諸表を分析するなどビジネスの基礎知識の底上げ、確定申告にも役立ちます。中小企業や個人事業主の決算は、2級レベルの知識があればほとんど事足ります。
2級はとくにネット試験の方が高い合格率になっています。出題範囲、試験時間など統一試験と変わりません。難易度も同じですが、現状ネット試験の方が合格しやすい傾向です。
経験者が再受験している可能性や、試験時間短縮により、会計全体像の理解を問われる基礎的な問題の増加が原因と考えられます。今後統一試験と同じくらいの合格率になるように調整されていくかもしれません。
なおこれは注意点ですが、ネット試験は自宅で自分のパソコンで受験できるわけではありません。会場のパソコンを使っての受験になります。ネット試験で申し込む場合はパソコンでの回答に慣れておいた方がよいでしょう。
簿記1級の合格率
簿記1級の受験方法は年2回実施される統一試験のみで、ネット試験はありません。
1級の合格率は、直近2回の統一試験によるとそれぞれ12.5%(164回)、10.4%(162回)です。1級は合格率10%前後の難関試験です。
1級受験者データ(統一試験)
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
164(2023.6.11) | 11,468名 | 9,295名 | 1,164名 | 12.5% |
162(2022.11.20) | 12,286名 | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
161(2022.6.12) | 11,002名 | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
159(2021.11.21) | 11,389名 | 9,194名 | 935名 | 10.2% |
158(2021.6.13) | 9,310名 | 7,594名 | 746名 | 9.8% |
157(2021.2.28) | 7,785名 | 6,351名 | 502名 | 7.9% |
156(2020.11.15) | 10,078名 | 8,553名 | 1,158名 | 13.5% |
155(2020.6.14) | 中止 | |||
153(2019.11.17) | 9,481名 | 7,520名 | 735名 | 9.8% |
152(2019.6.9) | 8,438名 | 6,788名 | 575名 | 8.5% |
1級は大企業の経理が務まるレベルです。高度な専門性と技能を有する証明となるので、就職・転職に非常に有利です。経理・財務、税理士事務所、会計事務所や、経営企画部門などの仕事を得る際に高く評価されます。資格手当の支給や昇進につながりやすく、取得によって税理士試験の受験資格にもなります。
難関試験ですが、高度な知識を有したスペシャリストとして認められ必要とされる資格です。
日商簿記の勉強方法は?
日商簿記受験のための勉強方法をご紹介します。
- 書籍・テキストを使って勉強する
- 通信・通学講座に通う
- 勉強サイトや動画講座を利用する
一般的に各級で必要とされる勉強時間数は以下です。
- 3級:50~100時間以上
- 2級:100~200時間以上
- 1級:500~600時間以上
スクールに通うか、独学か、など勉強方法によっても必要な時間数に差は出てきますので、おおよその目安として考えてください。
書籍・テキストを使って勉強する
独学であまり費用をかけずに、書籍やテキストを使って勉強して合格できます。この場合、テキスト選びが重要です。自分のレベルに合った、見やすく理解しやすい最新の情報になっているテキストを選びましょう。
まずはテキストをひととおり読んで全体像を理解するところからはじめます。時間がないからと理解せずにいきなり問題に挑戦してしまうと、解けずに苦手意識を持つ結果となりつまずきやすくなります。1冊のテキストを繰り返し読み、全体像と基礎を理解した上で過去問や問題集に挑戦しましょう。
そして間違えた部分について、テキストを読み返し再度問題を解いてみて、確実に正解できるようにしていきます。
2021年に新試験制度に変更され試験時間が短縮されています。新試験対策として2021年以降の過去問や予想問題集を、時間をはかりながら解いてみるのもよい方法です。
通信・通学講座に通う
自分1人でモチベーションを保って勉強するのが難しい場合、通信や通学講座を利用してみるのもよいでしょう。費用がかかりますがサポートも手厚く、確実に知識が身につきます。
独学で勉強していると、スケジュール管理がうまくいかずに合格まで時間がかかってしまうケースがあります。通学講座ならばカリキュラムが決まっているので、短期間で学習し試験に挑戦できます。
わからないところもすぐに質問して解決できるので、中途半端な理解で終わってしまうのを防げます。しっかり理解できるので、知識が定着して実務でスムーズに使えるレベルになります。
また通信講座は、自分の生活リズムに合わせて学習できるメリットもあります。わからないところも質問できるので効率よく学習できます。
勉強サイトや動画講座を利用する
簿記は勉強サイトや動画講座なども充実しています。紙のテキストを使う勉強だけでなく、わかりにくいところをサイトや動画で学習してみるのもよい方法です。別の角度からの説明により理解が進む場合があります。
CPAラーニング、StudyPro、いぬぼきなどのサイトは、完全に無料で学習できます。それぞれ特徴があり、試してみて自分にあったものを選べるのも無料ならではです。いきなり勉強サイトのみで資格取得を目指すよりも、テキストを使った学習と並行して使用する方が理解しやすく効果的です。
YouTubeには複数の簿記系チャンネルがあります。YouTubeの簿記動画は質が高く理解に重点を置いているためオススメです。しかし数年前に作成された動画の場合、最新の試験内容になっていないケースがあります。その点は注意した上で利用してください。
日商簿記は独学でも合格できる!
日商簿記は独学でも合格可能です。とくに3級は多くの人が独学で学習し合格しています。しかし2級・1級に独学で挑戦する場合、正しい勉強方法と合格まで学習を続けるスケジュール管理、モチベーションの維持が大切になります。
3級は独学でも短期間の学習で合格可能ですが、2級は「商業簿記」に「工業簿記」が加わり必要な勉強時間数も多くなります。さらに1級は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」と試験範囲が広くなり、必要となる勉強時間数が多く、長期間の学習になります。よってスケジューリングとモチベーションの維持がポイントとなります。
自分にあったテキスト選びなどを含め自分で勉強方法を確立して、スケジュール通りに学習できるタイプの人は2級・1級も独学で取得できるでしょう。
日商簿記を勉強するのにオススメな無料サイト6選!
日商簿記は、社会人の就職や転職に役に立つ、人気資格です。そのため、日商簿記の学習サイトを検索すると、数多くのサイトがヒットします。
「たくさんありすぎて、どれで勉強したらいいかわからない」と感じた人も、少なくないでしょう。下記に、独学で日商簿記の勉強をしたい人に、オススメの無料サイトをご紹介しています。
それぞれのサイトの、特徴とオススメポイントをご紹介しています。自分に合ったサイトを見つけて、日商簿記の勉強に役立ててください。
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理由は、主にふたつあります。一つ目は「簿記の知識を正しくインプットするためには、1つのテキストを最後までやりきる方がいい」からです。
日商簿記のテキストは、数多くあります。わかりやすく設計されていて、しっかりと勉強すれば独学でも合格は可能です。しかし、複数のテキストを買って勉強するのは、コストもかかりますし、勉強の進み具合を把握しづらいです。まずは、1つのテキストを一通り終わらせましょう。
2つ目は「無料サイトで、スキマ時間に勉強できる」からです。サイトは、スマホやタブレットさえあれば、いつでもどこでも勉強できます。テキストでわかりづらかった問題をサイトで復習したり、問題集を解いたりと、効率的に勉強できます。時間のない社会人には、とくにオススメです。
最後に、私の体験談から「テキストと無料サイトの組み合わせ」がオススメな理由をご紹介します。私は、通信教育を利用して、日商簿記3級に合格しました。その時の勉強方法が、テキストと講義動画を中心に知識をインプットし、問題集を解くやり方です。しかし、はじめて簿記を勉強する自分には、なかなか理解しづらい問題も多く、苦労しました。
そんな時に助けになったのが、無料サイトです。コストがかからないので、気軽に使えますし、違う表現で解説を読むと、わからなかった問題が、理解できるようになりました。これから、簿記の勉強をされる方も、テキストにプラスして、サイトを使うことで効率的に学習できます。
<参考記事>