就活で躓く人が多い「志望企業」の考え方
いきなりですが、皆さんはどのような軸でキャリア形成を行っているでしょうか?
実は私は就職浪人で就活を2度経験しています。
その結果、最終的には「自分がいまやりたいこと」を軸に就職活動を行いました。読者のみなさんは一体、どのような基準で会社を選んでいますでしょうか?
まずは私が、どのような経験を経てこのような考え方になったのかについて話していきたいと思います。
これからお話しする内容が、少しでも就活生のみなさんのお役に立つ事ができますと幸いです。
どうしてもその会社に行きたい理由はあるか
「志望動機は何ですか?」
全ての就活生が就職活動においてこの質問を幾度となくされてきたと思います。
もちろん私も例外ではありません。
2度に渡る就職活動で、私自身も嫌と言うほど何回も繰り返し、この質問に答えてきました。
志望動機についてお手本や見本など沢山の例がネットに上がっていたり、答え方についてアドバイスを受けると思います。
しかし、それでも何度もこの質問を聞かれるとだんだんと自分の中の自信が蝕まれていく。
私はそんな感覚を何度も経験しました。
絶対にその会社に入りたい理由
結局のところ、ほとんどの就活生はその会社でなくてはならない「理由」を持ち合わせていません。
別にその会社に入らずともだいたいの人はこの先ある程度の生活に困らない普通の暮らしができるのですから。
何かよっぽどの経験や夢がない限りはその会社でなくてはならない理由ができることは珍しいと思います。
多くの場合は年収や業務内容、社会貢献などの個人的なこだわりやちょっとした希望や興味が会社の選択に影響を及ぼしているに過ぎないのです。
キャリアビジョンから逆算する戦略は「善」か
キャリア戦略の一つとして、「キャリアビジョンから逆算して入る会社を選ぶ」という考え方があると思います。
20年後自分は社長になる。そのために10年後に役員、5年後に事業部長になっていて、今はこの会社でこの仕事をするというような考えです。
しかし、冷静に考えてみてください。
あなたがその会社に就職した数年後に、その5年後、10年後のビジョンが変わらないと言い切れるでしょうか?
ビジョンが変わればせっかく逆算したキャリア戦略も総崩れです。
そんな事を繰り返していれば、なりたい自分になれる日は一生来ませんよね。
また、その壮大なビジョンは果たして本当に自身の理想像なのでしょうか?
社会に出たこともない、ましてや仕事というものをほとんど経験したことが無く、行きたい会社の仕組みや人事評価制度などを知らない人が打ち立てた、そのビジョンを心から達成したいと思えるのでしょうか。
「逆算」というものは、ゴールに対しての道筋をしっかりとした経験や数値に基づいた推測した結果、その意味が生まれるものです。
経験がない人の肌感やましてや想像で作り上げた逆算というキャリア戦略は、ほとんど意味を持ちません。
計算なく未来の事を予測してもあまり意味がないことは、ギャンブルやゲームを始め、皆さん日常的に体感しているはずです。
あなたが今、本当にやりたいことは何か
では、「その会社でなくてはならない理由」がなく、「キャリアビジョンを立てて逆算」しても意味がないのではどのように就職活動をすれば良いのか。
あなたが現在、おそらく唯一分かると言えるのは、「あなたが今、何をしたいのか」ということです。
一度、やりたい事で会社を選んでみてください。
あなたが5年後、10年後何をやりたいかは分かりませんが、今やりたい事だけは分かるはずです。
例え分からないとしても、少なくとも将来のやりたいことよりは見つけやすいはずです。
やりたいことを達成した後は次のやりたい事を追いかければ良いのです。
しかし、「今やりたいことが自分が本当にやりたい事なのかわからない」という人もいると思います。
その悩みに対する答えは一つです。
少しでもやりたいと思ったことを、とりあえず片っ端からやってみてください。
命の危険や金銭的不自由さがない限り、ある程度のことは本気でやればできると思います。
実際にやってみたら、あなたがそれを本当にやりたいのか、はたまたやりたくないのかがはっきり分かるはずです。
全てやりたいことで選択してみる
いくら就活で、その会社に行く理由を探したところで自分の中からは見つかりません。
なぜなら会社は何かを成し遂げるための手段であって、入社することが、所属することがゴールではないからです。
またキャリアも同様です。
理想の自分になることはおそらく一生ありません。
“理想の自分”は常に変わり続け、その手段としての会社の”選択”も同様に常に変わり続けるからです。
もしキャリアで、就職活動で悩んでいる方がいれば、やりたいことで会社を、自身の行動を選択してみてください。
やりたいことをやってみれば次にやりたいことがすぐに見えます。
そうすれば、自分のやりたいことに没頭しながら、日々達成感を味わいながら、人生を楽しむことができると思いませんか?
時にはやりたいことのために”やりたくないこと”をやる事もあります。
しかし、ちょっとしたプライドやこだわりで生きる場所を選んで働いたり、あるか分からない未来を設計して進むよりは、目の前のやりたいを追いかけ奮闘する毎日の方が納得のいくキャリアを歩めるはずです。