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いま注目の音声マーケティングとは?気になるメリットや手法を紹介

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最近になって、音声マーケティングという手法が広く知られるようになってきています。音声によって情報を伝える手段といえば、昔からラジオや音楽といったものがありましたが、これらによって情報を発信できるのはごく一部の人でした。

近年のスマートフォンやSNSの発達と普及により、個人が文章によって情報発信をできるようにはなり、文字で情報を発信している人はたくさんいるでしょうが、自身の声で発信するとなるとどうしても「恥ずかしくてできない!」となってしまう人も多いでしょう。

しかし、今年に入ってから音声SNSのClubhouseの広がりを中心に、Twitterの新機能「Spaces」などによって、音声による情報発信が広く受け入れられるようになり、多くの人々が音声配信をするようになりました

今回はそんな今注目の音声について、音声マーケティングという切り口からその概要や手法について解説していきたいと思います。


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音声マーケティングとは?


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音声マーケティングについての定義はまだ決められていませんが、一般的にはその名の通り、音声を使ったマーケティング手法のことを指します。「サウンド・マーケティング」とも呼ばれ、ラジオや音声メディアなどを活用したマーケティング活動や、テーマパークの音楽や肉を焼く音など、音に関するあらゆるマーケティング活動が含まれます

近年の技術革新によって音がもたらすマーケティング的な効果に注目が集まっており、最近になって音声マーケティングという言葉が少しずつ使われるようになってきました。現代では手法として音声広告が一般的となっています。


音声マーケティングのメリット


文章中心のSNSによる情報発信とはまた違うメリットがある音声マーケティング。ここでは、個人とビジネスの両方によるメリットを解説します。


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音声によって情報発信に個性を持たせることができる


これまでのインターネットを利用した情報発信は文章が主体となるため、コンテンツの内容以外の発信方法や伝え方の部分で個性が出しづらく、その情報を見ている側は発信者のキャラクターや個性を理解しにくくなってしまっていました

キャラクターが分かりにくくコンテンツだけで見られるというのは発信者によってはメリットにもなりますが、自身の声を使って情報を伝えることができる音声マーケティングでは、情報が伝わりやすく個性も出すことができるため視聴者の共感や個人的な好みといった要素でファンを獲得しやすいという特徴を持ちます。


気持ちや感情を使ったマーケティングが可能


TwitterやFacebookも見てて感じた方もいると思いますが、文章で情報を伝えるとなった場合に発信者が「どんな気持ちで」「何を伝えたくて」発信したのかが読み取りづらい場合があります。発信者と視聴者との間で考え方や捉え方が一致せず、トラブルになるケースも多く見かけます

音声を使ったマーケティングの場合は、声のトーンや喋り方によって発信者の感情や気持ちを含めた情報発信が可能なため、視聴者への間違った伝わり方によるトラブルを回避できる他、視聴者の感情を大きく動かすことができます。感情を揺さぶることで、視聴者の行動に影響を与えるなどの今まで出来なかったアプローチを狙うことも可能です。


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可処分時間を活用したアプローチが可能


現代人が1日に見る情報量は凄まじく、平安時代の一生分、江戸時代の一年分というデータもあります。そのため人々は何の情報を見るか選べる、裏を返せば見捨てられる情報も多くあります。しかし、そんな中でも通勤時間や家事をしている際などの「可処分時間」はまだまだ残されており、特に手や目が使われている際に耳を使って情報を得たいというニーズは多く存在します

音声を使ったマーケティングにより、これら耳の可処分時間を有効に使ったアプローチが可能となるのです。もちろん、ある程度興味を持ってもらうための工夫は必要になってはきますが、視覚によるアプローチと比べ競合となるコンテンツもまだまだ少ないため、高い効果を得ることが期待できます。


情報発信が簡単でコストが低い


当たり前のことですが、普通に生活していると書く時間よりも話す時間の方が長い方がほとんどだと思います。人間は「書く」ことよりも「話す」方が得意であり、また「読む」よりも「聞く」方が得意です。そのため音声を使った情報発信では、マイクに発信したい内容を「話す」だけでコンテンツができてしまうという大きなメリットがあります。

文章の場合は誤字脱字のリスクや制作の時間などがかかってきてしまいますが、音声の場合は「話す」だけで制作することができ、「聞く」だけで確認・チェックができるため低コストでコンテンツを用意することができます


音声マーケティングの可能性


昔から新聞やテレビ、SNSなどの視覚に訴えるマーケティングの手段はいくつもありましたが、聴覚のみに呼びかける手段といえばラジオくらいしか使われていませんでした。しかし、音楽配信サービスの流行で、デジタルオーディアドと呼ばれる音声広告が誕生します

日本ではまだ普及していませんが、GoogleがDouble Click Bid Managerという音声広告サービスを始めたこと、そして個人的に音声配信が可能なツールが次々とリリースされていることから、音声マーケティングの将来性は高いと言えます。

また、近年大きな広がりを見せている音声SNSも、配信者の収益化サービスの提供を始めるなどの動きを見せており、音声配信市場の広がりと共に音声広告もその規模が拡大していくことが予想されています


音声マーケティングの関連ニュース


先述のとおり、日本ではまだそこまで普及していない音声広告ですが、欧米諸国では音声による情報発信が盛んに行われています。ここからは、今後の参考になりそうなアメリカ・ヨーロッパの音声マーケティングの事例や関連のニュースについて、いくつかご紹介していきたいと思います。


音声広告


音声広告とは、ラジオCMとは異なり、Spotifyをはじめとした音楽配信サービスといった音声メディアに出稿する広告のことを指します。音声メディアの全体の利用者数が10億人を超え、15億人を迫る勢いなど、音声広告の勢いはこれからも拡大していくと考えられています。

株式会社デジタルインファクトによると、日本国内の音楽広告市場価値は2020年は16億円ですが、2025年には420億円になる見込みであり、毎年数十倍の勢いで市場が拡大しています

最近では、YouTubeの広告など、視聴者に「不快」と思われてしまう広告が多いですが、ComScoreやNielsenが音声メディアの利用者に調査を取ったところ、音声広告に対して親近感や好感を覚える人の割合が高かったことが分かっています。視覚に訴える広告に比べて音声広告は、利用者に受け入れられやすいとも言えるのです


音声コンテンツの発達


AmazonやGoogle、Appleといった大企業が、ポッドキャストに参入する事例が相次いでいます。特にAppleのポッドキャストの場合、プログラムの数が75万以上でコンテンツ数は2000万を超えています。コンテンツのジャンルは多岐に渡り、ニュースからドラマまた学習系のコンテンツもあるなど幅広い分野のコンテンツが配信されています。


代表的なポッドキャストサービス


音声アシスト


AppleやGoogleが開発しているスマートスピーカーの台頭によって、音声サービスの技術や顧客の体験価値が凄まじい勢いで向上しています。分かりやすい事例としてはAppleの「siri」やAmazonの「Alexa」が挙げられます。

「hey siri」と一言言うだけで、天気予報やニュース、カレンダー、乗り換え案内を確認することができます。アメリカでは、ドミノ・ピザ、ホテル予約サイトのKayakが、音声アシストによってサービスの注文・予約をできるようなシステムを開発しました。

音声アシスタントの発達によって音声領域のマーケティングがどのように広がっていくのか、まだ未知数ではありますが、これらの技術は間違いなく、今後の音声市場の追い風となることでしょう


音声マーケティングのおすすめ本


なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか―サウンド・マーケティング戦略

Man Made Music代表で作曲家やテレビプロデューサーとして活躍しているジョエル・ベッカーマン(Joel Beckerman)による、「サウンド・マーケティング戦略」をコンサルティングした世界的第一人者による初めての書籍

音声配信が日本で注目される前の2016年に出版された書籍で、マーケティングにおける「音」の効果や企業規模にかかわらず使える、「無意識に働きかけ、気分、行動、嗜好、選択に影響を与える方法」について紹介しています


いちばんやさしい音声配信ビジネスの教本 人気講師が教える新しいメディアの基礎

リコージャパンや楽器EC事業での起業経験を持つ、八木太亮氏が代表取締役を務め、音声広告と音声メディア支援事業を展開中の株式会社オトナルによる音声ビジネスの教科書

音声配信ビジネスの特徴やポテンシャルについて抑えながら、音声ビジネスのやり方やマネタイズ方法などを丁寧に解説しています


まとめ


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いかがでしたでしょうか。今回は、音声マーケティングのメリットや手法、事例について解説していきました。情報量の増加により、マーケター同士で、消費者の目の付け所を奪い合う戦いが繰り広げられている中、音声マーケティングがその存在を密かに大きくしてきています。

将来性が高まる音声マーケティングについて、今のうちから目を向けてみておくとこれから始まるかもしれない音声ブームの中でも、うまく立ち回れるような人材になれるかもしれませんね。


【参考記事】

音声メディアで稼ぐ時代に!メリットやおすすめの音声メディア

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音声広告の効果とその可能性とは?拡大する市場規模

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