愛知県で、2人の男性が遺伝子組み換えメダカを育成・販売した容疑で逮捕されました。このメダカには、海外から持ち込まれた遺伝子が組み込まれていたということです。この事件は、日本で初めての「遺伝子組み換え生物の不法販売」事件となります。
遺伝子組み換え生物は、研究目的や食料生産などで使用されることがあります。しかし、安全性に関する問題や環境に対する影響が懸念されています。日本では、遺伝子組み換え作物の生産や輸入が規制されていますが、遺伝子組み換え生物を育成・販売することについては、規制が不十分との指摘もあります。
今回の事件は、遺伝子組み換え生物の安全性や環境への影響について再考するきっかけとなるでしょう。また、この事件が注目されるのは、環境に対する影響についての規制を定めた「生物の多様性に関する条約」に基づき、1999年に南米コロンビアのカルタヘナ市で締結された「カルタヘナ法」に違反したとされる点です。
カルタヘナ法は、遺伝子組み換え生物の輸入・輸出・取り扱いに関する規制を定めており、各国が自国の環境に適した遺伝子組み換え生物の管理を行うことを求めています。この法律に基づき、遺伝子組み換え生物の安全性試験が行われ、安全性が確認された場合にのみ、輸入・輸出・取り扱いが許可されます。今回の事件では、安全性試験を行わずに遺伝子組み換えメダカを育成・販売したため、カルタヘナ法に違反するとされました。
この事件から、遺伝子組み換え生物の取り扱いに関する法律が今後、より厳しくなる可能性があります。また、遺伝子組み換え生物が環境に与える影響についての規制が今後ますます強くなるかもしれません。