最近になってAmazonが発表した、Amazon Care(アマゾンケア)というアプリをご存じでしょうか?
専用のアプリを使い、医療従事者に直接オンラインで医療相談を受けられるというAmazonの新しい医療サービスです。今回はそんなリモートによる医療相談ができるAmazon Careについて詳しくご紹介していきたいと思います。
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Amazon Careとは?

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Amazon Careは、専用のアプリを通じて看護師や医師に直接オンラインで医療相談を受けられるというサービスです。リモートによるテキストチャットやビデオ通話機能によって、従業員とその家族がケアを受けるまでの時間を短縮することが可能となっています。
対面のケアが必要な場合には「往診」に対応し、医療従事者を自宅に派遣、血液検査や胸部検査などを行ったり処方箋を自宅に届けるサービスも行っています。
元々はAmazonの従業員向けのアプリでしたが、シアトルで実施したAmazon Careの試験運用の成果に満足し、2021年夏には全米に拡大し、従業員だけでなくあらゆる規模の企業にも開放する予定のサービスです。
Amazon Careの特徴

Amazon Careのサービスは、オンライン診療や相談に医療者の派遣(往診)と専門医への紹介、処方薬の販売と配達を組み合わせたものです。
提供される診療内容としては、急な発熱や怪我などの命に関わらない救急診療、予防や検診のフォローアップの他、海外出張に伴う医療ニーズと一般健康・医療相談などで、診療結果によっては看護師などがオフィスや自宅まで往診してくれます。処方薬もオンライン薬局から自宅などに配送されてきます。
Amazon Careの受付時間は、現時点で平日午前8時~午後9時まで土日は午前8時から午後の6時までとなっています。現在は、ワシントン州のシアトル本社の社員やその家族を対象としています。
Amazon Careはビデオ通話とチャットによる仮想診療所である
ビデオ通話とテキストチャットによる医療相談が可能な他、必要に応じて訪問診療・看護も受けられます。訪問場所には自宅の他に、社屋内の診療室も選ぶことができます。
ビデオ通話とチャットによる相談内容に関しては、医師や看護師によるアドバイスや診断、治療に関する説明などで、別名「仮想診療所」とも呼ばれています。
Amazon Careの強み

Amazonは、Amazona Careのサービスの大きな強みとして、検査におけるスピードの優位性があります。例えば、新型コロナウイルスにおける検査結果の迅速な通達などが含まれます。
新型コロナウイルスで陽性と判明した場合には受診者に適切な行動を促して、専門チームが隔離と治療の為に派遣されます。もともとアメリカではインフルエンザの流行が常に問題になっており、各州の主要都市ではインフルエンザ研究・対策機関が存在しますが、新型コロナウイルス対策もこの機関が動いており、Amazongが手を貸した形となります。
そして、その仕組みに関してはAmazonならではの工夫がされており、対面ケアのオプションを利用するとアプリを通じて医師や医療従事者の到着予定時刻が提供されるのですが、これはAmazonがECにおいて荷物配送でやっていることの応用となります。
Amazon Careは遠隔医療によって診療コストを抑えることができる

アメリカは医療システムに大きな問題を抱えており、公的医療保険が存在しないということで極めて高額な医療費がネックとなってインフルエンザが流行しやすい環境にあります。
冬には各地の公民館で無料の予防接種を受けることができますが、大行列で行く気になれませんし、処方薬局がついているようなドラッグストアで格安で予防接種を受けることができますが、それでも大体$40~$70ほどの値段となっています。
そのため、Amazon Careのような遠隔医療によってコストを抑えて処方箋を出すことにより、適切で安価なジェネリック薬品を配送調達できるようになります。
医師が対応できる患者の人数は対面の場合ではどうしても限られてきてしまいますが、オンラインの遠隔医療によって、かなりの人数に対応することができます。接触しなくても良い上、患者個人の特定も可能なため、特に感染症においてはかなり有用なサービスとなっています。
【まとめ】Amazon Careは2021年夏以降にサービスを全米に拡大予定

いかがでしたでしょうか?米国時間3月17日に発表で、Amazonはこのサービスを「自社の従業員だけでなく、あらゆる規模の企業にも解放をしていく」と述べています。
このことは、他の企業がAmazon Careを従業員のための総合的な福利厚生パッケージの一部として契約することを目指しています。今後、雇用者負担のヘルスケアに不足している要素を補うための的確なソリューションとなっていくに違いありません。